「武松さんが一番好きなのは、どれ?」
「一番はまだ言えない、それじゃあ、これだけ持ってきた甲斐が無いじゃないか。でも入り口としては、こんなのが良いね」
「まあ、浴衣とか着物とかが多いのね」
「俺の好みだから。ほとんどの日本女性は、着物姿が一番美しい、と、思っている」
「浴衣着ておいてよかった」
私の目を見てほほ笑んだ、襲ってしまいたいくらい可愛い笑顔だ。
「着物ってのは、敢えて縛らなくても、もう紐で縛りまくりだからね」
「ああ、そういえばそうね。それをまた、こうして麻縄で縛る・・・」
「西洋だって、昔はコルセットで絞りまくってたんだから、女ってもんは縛られるのが好きなんじゃないかと思うよ」
「そうかしら、男がそういうのが好きそうだから、合わせていただけじゃないの?」
「ははは、そうかもしれない。でもお互いその辺は、言わなくても分かっていたってことかな」
「なるほど」
「男ってもんは、女の裸を見れば興奮するって訳じゃないんだ。勿論若い時は、それだけで逝けちゃうかもしれないが、いくらか経験してくれば、飽きてしまう」
「だから、すぐ浮気するんでしょ?」
「そうかもしれない。でも、そうじゃないかもしれない」
「どういうこと?」
「なんか先生ぶって講釈するのは照れ臭いが、私の感覚では、ただ裸を見てるんじゃなく、その女の羞恥心というか内面を見て、可愛いとか、愛おしいとかって、感じていると思うんだ」
「そうなの?」
「ご両親だって、ずっと仲良かったんだろう?」
「ええ、まあ、離婚の話なんてなかったから」
「そこそこの年になったら、身体がきれいとか、顔が美しいとかなんて、その女の魅力のほんの一部になってると思う」
「じゃあ、何で男は浮気するの?」
「ははは、浮気に相当頭に来てるね。逃げた旦那のせいかな?」
「そうよ、悔しかったし、それから苦労したし・・・」
「その前に、初海が、可愛い女だったのか、旦那にとって」
「まあ、私が悪いって言うの?」
「そうじゃない。今の俺は、初海は可愛いし愛しいと思っている。だから、抱きたいと思っている。他の女に目は行かない」
「旦那には、そうは映っていなかったっていうこと?」
「まあね。本当のことは分からないけれど」
「じゃあ、試してみようか?」
「何を?」
「私のこと愛しいと思うなら、一ヵ月間、他の女抱かないって約束できる?」
「ああ、そんなのお安い御用だ。もう2年近く女とは何もないからね」
「なんだ、つまんない」
初海は、台所に立って行った。
ああ、失敗したかなと思って、雑誌をまとめにかかっていると、初海が徳利を二本、お盆に載せて戻ってきた。
そして隣に座り、酒を注ぐと、行き成り言ってきた。
「じゃあ、今夜、私を抱いていいから、それから一ヵ月我慢できる?」
私は、口に含んだ旨酒を吹き出しそうになった。
「そうか、エサを与えて良いおもいをさせてから、我慢させる作戦か・・・意外とサディストだなー」
「そうよ、男なんてみんな浮気性なんだから」
「いいよ、女将を抱けるなんて特典ついてたら、今後一切女断ちしてもいい」
「そんなこと、できないくせにー」
「いや、心意気のことを言ったまでだから。で、一ヵ月したらまた抱かせてくれるんだろう?」
「うん。考えとく」
「まあ、考えとくで、いいとしておく。でも、初海も、男断ちしてくれるんだろう?」
「ええ、そんなの簡単だから。私も、もう2年近く男とは何もないからね」
「ふーん、旦那と別れてから5年以上だとすると、その後男は居たんだ」
「まあね。そんなことより、一ヵ月、他の女抱かないって約束、するの、しないの?」
「勿論する」
「じゃあ、いいわ」
初海は、自分で、浴衣の襟元を開いた。
「一番はまだ言えない、それじゃあ、これだけ持ってきた甲斐が無いじゃないか。でも入り口としては、こんなのが良いね」
「まあ、浴衣とか着物とかが多いのね」
「俺の好みだから。ほとんどの日本女性は、着物姿が一番美しい、と、思っている」
「浴衣着ておいてよかった」
私の目を見てほほ笑んだ、襲ってしまいたいくらい可愛い笑顔だ。
「着物ってのは、敢えて縛らなくても、もう紐で縛りまくりだからね」
「ああ、そういえばそうね。それをまた、こうして麻縄で縛る・・・」
「西洋だって、昔はコルセットで絞りまくってたんだから、女ってもんは縛られるのが好きなんじゃないかと思うよ」
「そうかしら、男がそういうのが好きそうだから、合わせていただけじゃないの?」
「ははは、そうかもしれない。でもお互いその辺は、言わなくても分かっていたってことかな」
「なるほど」
「男ってもんは、女の裸を見れば興奮するって訳じゃないんだ。勿論若い時は、それだけで逝けちゃうかもしれないが、いくらか経験してくれば、飽きてしまう」
「だから、すぐ浮気するんでしょ?」
「そうかもしれない。でも、そうじゃないかもしれない」
「どういうこと?」
「なんか先生ぶって講釈するのは照れ臭いが、私の感覚では、ただ裸を見てるんじゃなく、その女の羞恥心というか内面を見て、可愛いとか、愛おしいとかって、感じていると思うんだ」
「そうなの?」
「ご両親だって、ずっと仲良かったんだろう?」
「ええ、まあ、離婚の話なんてなかったから」
「そこそこの年になったら、身体がきれいとか、顔が美しいとかなんて、その女の魅力のほんの一部になってると思う」
「じゃあ、何で男は浮気するの?」
「ははは、浮気に相当頭に来てるね。逃げた旦那のせいかな?」
「そうよ、悔しかったし、それから苦労したし・・・」
「その前に、初海が、可愛い女だったのか、旦那にとって」
「まあ、私が悪いって言うの?」
「そうじゃない。今の俺は、初海は可愛いし愛しいと思っている。だから、抱きたいと思っている。他の女に目は行かない」
「旦那には、そうは映っていなかったっていうこと?」
「まあね。本当のことは分からないけれど」
「じゃあ、試してみようか?」
「何を?」
「私のこと愛しいと思うなら、一ヵ月間、他の女抱かないって約束できる?」
「ああ、そんなのお安い御用だ。もう2年近く女とは何もないからね」
「なんだ、つまんない」
初海は、台所に立って行った。
ああ、失敗したかなと思って、雑誌をまとめにかかっていると、初海が徳利を二本、お盆に載せて戻ってきた。
そして隣に座り、酒を注ぐと、行き成り言ってきた。
「じゃあ、今夜、私を抱いていいから、それから一ヵ月我慢できる?」
私は、口に含んだ旨酒を吹き出しそうになった。
「そうか、エサを与えて良いおもいをさせてから、我慢させる作戦か・・・意外とサディストだなー」
「そうよ、男なんてみんな浮気性なんだから」
「いいよ、女将を抱けるなんて特典ついてたら、今後一切女断ちしてもいい」
「そんなこと、できないくせにー」
「いや、心意気のことを言ったまでだから。で、一ヵ月したらまた抱かせてくれるんだろう?」
「うん。考えとく」
「まあ、考えとくで、いいとしておく。でも、初海も、男断ちしてくれるんだろう?」
「ええ、そんなの簡単だから。私も、もう2年近く男とは何もないからね」
「ふーん、旦那と別れてから5年以上だとすると、その後男は居たんだ」
「まあね。そんなことより、一ヵ月、他の女抱かないって約束、するの、しないの?」
「勿論する」
「じゃあ、いいわ」
初海は、自分で、浴衣の襟元を開いた。
官能小説家
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